★お気楽日記★

アリとキリギリスでは断然キリギリスです。 うさぎとかめなら、確実にうさぎです。 でも跳ねる趣味はありません。

天保水滸伝関連本読みました

2/8から始まる高橋一生さんの主演舞台「天保十二年のシェイクスピア」は、シェイクスピアを縦糸に、天保水滸伝を横糸に作られた作品だそうで、ついついシェイクスピアばかり予習していましたが、今村プロデューサーから「天保水滸伝も予習されると良いかもしれません」との発言がありましたので、こちらも読んでみました。

 

天保水滸伝 (中公文庫)

天保水滸伝 (中公文庫)

 

 

 

巷説 天保水滸伝

巷説 天保水滸伝

 

 

結論としては、任侠ものの雰囲気(仁義とかメンツの為には命を賭けるような感じ)をあまりご存じない方は読むと掴めるかもしれないなあ(なんとなく任侠の世界観がわかっていれば要らないかもしれないなあ)と思いました。

そもそも予習はこれらの本を読むことなのか、講談を聴くことなのかわからないのですが…。

 

どうも「天保水滸伝」とは、実在した笹川の繁蔵と飯岡の助五郎という二人のヤクザ一家の縄張り争いを講談や映画にしたものらしく、上に挙げた二冊の本はそこからまた題材を取って書かれた小説でした。

(「新撰組血風録」が評判になって、そこから書かれた「燃えよ剣」とかそんな感じの立ち位置?)

この二人のヤクザは「天保十二年のシェイクスピア」ではちょっとだけ登場しますが、パロディとしてどこかの場面が使われているということもないので、予習の優先順位としてはシェイクスピアの方が高いような気がしました。

 

天保水滸伝」がどんなストーリーかざっくり書くと、ヒーローサイドが笹川の繁蔵、その繁蔵とやがて縄張り争いで敵対するのが飯岡の助五郎(悪役に書かれがち)、ほかに酒飲みで結核の天才剣士で繁蔵の用心棒の平手造酒(みき)とか、飯岡の助五郎の元に居た座頭市(あの座頭市です)とか魅力的な人物が登場します。

 

山口瞳氏の書かれた本では、飯岡の助五郎が悪役に書かれているのを不満とし(実際の助五郎は好々爺だったとも)、助五郎と繁蔵の少年期からやくざの親分になっていく過程のお話となっていました。(冒頭飛行機事故の話が延々出てきて、どういう方向に行くのかと思いましたが)

 

柳氏の小説は平手造酒を中心に据えた小説で、こちらの方が読みやすかったです。(というかまとまっていました。山口氏のは途中で終わった感じ)

 

興味を持たれた方はどうぞ。