★お気楽日記★

アリとキリギリスでは断然キリギリスです。 うさぎとかめなら、確実にうさぎです。 でも跳ねる趣味はありません。

坂元裕二朗読劇2021「初恋」と「不倫」行ってきました★(観劇レポ)

2021年4月18日(日)、坂元裕二朗読劇2021の昼公演「不帰の初恋、海老名SA」と夜公演「カラシニコフ不倫海峡」行ってきました。

高橋一生さん、酒井若菜さんのゴールデンコンビです)

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昼公演、夜公演ともに、お衣装は火曜日と同じ。

一生さんのスカーフの面積が今日は大きかったかな。

あと、酒井さんの髪型が、火曜日はさらさらボブヘア、今日の昼公演はふんわりカールさせた感じ、夜公演はそれをゆるく結っていた(大人っぽさの表現かしら)と思います。

(思えば火曜は11歳から16歳とか18歳位?、昼公演は14歳から20代後半?、夜公演は30代半ば、みたいな感じでしょうか、年齢)

 

火曜日は新作で本がありませんでしたが、今日はリトルモアさんから書籍化されていますので、細かくストーリーは書きませんが、ちょこっとネタバレはしますのでご注意ください。

 

往復書簡 初恋と不倫

往復書簡 初恋と不倫

  • 作者:坂元 裕二
  • 発売日: 2017/06/26
  • メディア: 単行本
 

 

「初恋と不倫」は、どちらも、世界はつながっている、他人事ではない、それは自分だったかもしれないというお話だなと思いました。

また、火曜の新作も含めて、坂元さんのお話は、失敗してしまった人に優しくて、こんな自分も生きていて良いんだなあと思えて好きです。

 

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昼公演「不帰の初恋、海老名SA」、事前に本を読んでいたのですが、ラスト近くの三崎明希の台詞を、私の脳内のイメージよりも酒井さんがエモーショナルに演じられたのが印象的でした。

(このまま続きが読めなくなるのではと心配になるほど涙を流されて)

そして、一生さんのティーンの男の子のぶっきらぼうな感じ、大人になって広告代理店勤務で、明希を心配し惹かれていく感じの成長の仕方が良かったです。

(しかし広志ったら、なんでショッピングセンタームラハマを忘れるかな。明希ちゃん、ショックだったろうな。ショッピングセンターナントカのことは記憶にないのであれば全然大丈夫と言っていたけど)

そして、こればかりは事前に予習しないで聴きたかったかもなと思ったのが、物語を知らないで朗読劇に臨んだら、一生さん演じる玉埜広志が最近話題になった「天国と地獄」というドラマの日高のように、また人の為に犯罪を犯してしまうのではないかとドキドキできたんじゃないかなーという点です。

文字で読むと「ああ、どっちになるんだろう」とは思いながら読みますが、そこまで強く思い入れしなかったけど、実際に舞台で一生さんが演じられると、結末を知っていてさえ本当に心配でドキドキしました。

「死にたいならば一人で死ねばいい」と冷たく一生さんに言われるとさらにドキドキしますね(性癖)。

 

そして、しょうゆラーメンに全面的にコショウをかけて食べたくなりました。(坂元さんのお話は食べ物が良く出てくるし、特にこのお話、食べ物が魅惑的で)

誰か海老名SAに連れて行って下さい(笑)。

 

ラストで、少年時代に実際に明希に書いてしまったキツい返事をやりなおすように本音を素直に手紙にした大人の広志、一生さんがちょっと照れたようないたずらっこみたいな表情をした…そうなのですが(終演後感想トークしたイセクラさんに教わった)、見逃した私!

ばかばかばか!自分のばか!

 

 

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夜公演「カラシニコフ不倫海峡」、これは活字で読むよりも、一生さんと酒井さんで演じていただいてすごく印象が変わったというか、登場人物の二人のことを好きな度合いが上がったお話でした。

活字の時は、接骨院のドタキャンやめなよ、とかそういう方に意識が(笑)。

前の2作は、子供時代と成長して大人の入口に立つ年代(忘れえぬ)、子供時代と大人時代(初恋)という時間の経過があり、演じ手も子供時代の話し方と大人の話し方という使い分けでしたが、「不倫」は時間の経過は恐らく1年足らずで、二人の関係性が変わるにつれて声色が変わる朗読でした。

特に酒井さんの田中史子は、最初はロボットかというような無機質な固い話し方で、それが待田健一と会うようになると、ちょっとキツそうな、でも血の通った女性に、そして健一とそういう仲になってからは普通の可愛らしい女性に変わっていったのが印象的でした。

本で読んだ時はそこまで登場人物の史子と健一に思い入れが無く(史子は、こんなメールよこす人がいたらムカついてブロックするわと思うし、健一もそんなに魅力的に感じなかったけど(息切れしてるとかお腹が痛いとか、なんか弱音が多いなあと))、お二人が演じると二人を応援してしまうし、史子は「カルテット」のすずめちゃんの人生が更に更に悪くなってしまったようで可哀想だし、犯行現場の後始末をする健一に日高(「天国と地獄」)を思い出しちゃうし(←これは余計か)、ドア直どんどん後のシーンで一生さんが「飛び降り直して」の後に一呼吸置いて「死んだ」と言ったのも心がぎゅっとしたし、一番、朗読劇で聴けて良かった作品かも。

そして東横線副都心線乗り入れによる渋谷駅の改悪(今まで2分で乗り換えられたのに15分かかる)についての見解は健一に100%同意です。なんで渋谷駅、ああなったの?

 

余談ですが、夜の部、一生さんが「暑中お見舞い」と言う部分と「辞表を」と言う部分を噛んで、「じしょ…辞表を」と言い直したのが可愛かったです。

火曜に「びゃっくみりゃー」となった時は、「この発音はびゃっくみりゃーですけど?」って感じにそのまま何事も無かったようにクールに流していましたが、今日の辞表の時は、瞬間「やっちゃった」って感じの表情をされた!・・・と私は思いました。

(昼の時もちょっと噛みかけてなんとか立て直した部分があったと記憶)

推しの人間味を発見したい、嫌なファンです。

 

あ、あと、「フォトショップ」のイントネーションがちょっと面白かった。一生さん、フォトショップ知らないでしょ(笑い)

フォトショップは平板なイントネーションで言われると思いますが、↗フォト↘ショップって英語っぽかった)

訂正します!!!!

フォトショップ、販売元さんの動画によると、一生さんの発音が正解でしたああああああああああああああああ!

ごめんなさいいいいいいいい!!!!

イセクラが愚かでした!!!!

(ツイッタ―で、発音違うよねって盛り上がってたの・・・東京?の会社員の発音がなまってたのね・・・・・・)

 

そしてカテコ。

火曜の公演も、昼公演も、一生さんは、酒井さんを先に通すジェントルマンぶりは発揮しつつもクールな感じだったので、朗読劇は黒子に徹するのかなあと思ったのですが、夜公演ではカテコの登場回数が1回増え、さらに酒井さんが一生さんの腕につかまってぴょんぴょん跳ねて、それを見て一生さんの満面のくしゃスマイルが観れたので、可愛い、うちの推し可愛い、生きてるだけで可愛い!!!となりました。

 

朗読劇、3話とも観ることが出来て、本当に幸せでした♪

次はフェイクスピア、楽しみにしています!

 

 

「初恋と不倫」物語内容

リトルモアブックスさんHPより転載)

 

<不帰の初恋、海老名SA>

「わたしはどうしても、はじめのことに立ち返るのです。団地で溺れたわたしと同い年の女の子のこと。わたしだったかもしれない女の子のこと。」

初恋の人からふいに届いた手紙。
時を同じくして目にしたニュースでは、彼女の婚約者が運転する高速バスが横転事故を起こし、運転手は逃走中だと報じている――。
- - -
<カラシニコフ不倫海峡>

「僕たちは捨てられた。問題は、さてどうしましょうか。ということですね?」

アフリカへ地雷除去のボランティアに行くと言い残し突然旅立った妻が、武装集団に襲われ、命を落とした。
一年後、後を追おうとしていた健一のもとに、一通のメールが届く。

“あなたの妻は生きていて、アフリカで私の夫と暮らしている”

同じ喪失を抱えた2つの心は、徐々に近づいていき――。
- - -

メールや手紙、二人の男女が綴るやりとりのみで構成された、息を飲む緻密なストーリー展開。
生々しい感触と息遣いまで感じられる、見事な台詞術。
「台詞の魔術師」坂元裕二がおくる、忘れえぬ恋愛物語。

切なさに胸が痛む、ロマンティックの極北。

 

(転載ここまで)

 

 

(どうでも良い感想)

ネタバレ注意(未読、未見の方は見ない方が良いかも?)

「初恋」の方を読んだ時に、最後に広志が拘置所にいるのにびっくりして、え?広志、殺してないよね?と見返したのは私です。

そこがずっと疑問だったのですが、感想会でシンプルに「犯人の逃走幇助の罪では?(でもそれ、そんなに重い罪かな?警察に連れて行く途中でしたって言えばそこまでは)」「でも、拘置所から出した手紙で「この男を殺して自分も死のうと」なんて書いてしまって検閲は大丈夫なのかドキドキしたけど、もしや事情聴取で警察にすでにその話をしちゃって、それで拘置所で取り調べられてるんじゃ?」という話になりましたので解決です(笑)。