★お気楽日記★

アリとキリギリスでは断然キリギリスです。 うさぎとかめなら、確実にうさぎです。 でも跳ねる趣味はありません。

坂元裕二朗読劇2021「忘れえぬ 忘れえぬ」(新作)初日行ってきました★(観劇レポ)

(また間が空いてしまった・・・)

 

2021年4月13日(火)、昨年開催予定が延期になった坂元裕二朗読劇ですが、今年もなんとか(いろんな方のご協力の元)チケット取れたので行ってきました!

 

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昨年はカード会社販売があったので、この新作と初恋と不倫の3回ともチケット取れたのですが、今年は公式サイト(とプレイガイド)の抽選勝負!厳しい戦いでした。(最終的になんとか交換で3回とも行かれることに❤)

 

そして、発券したところ、本日初日、なんと最前列のチケットが来まして大興奮!

 

目の前が一生さんだったらどうしよう!しぬ!って思っていたのですが、私(やや上手)の目の前は酒井若菜さん、下手サイドの一生さんを見るのは若干首が痛くなる席(笑)。

さらに、最前列の緊張感よ…。物音立てたり身じろぎしたりしてはいけない、と体を固くして過ごしました。(でも体が痛くなるので、時間経過を表わす時の暗転のタイミングでもじもじした)

しかし遮るもののないこの位置、まるで図書館で好きな人が本を読んでいるのを、斜め横のテーブルから盗み見ているようでした❤ 伏し目がちな視線、あごのホクロ、本を持つ手など堪能♪ 置物にして部屋に置きたい!(変態炸裂)

 

舞台上にはふかふかの椅子とサイドテーブルにお水。お二人が出てくる前に、私の前のお水にはストロー、椅子にクッション、下手側はそのままのボトルにノークッションだったので、この段階で、こちら側は酒井さんだろうな、とご一緒した友人と予想しました。

(酒井さんはクッションを膝に置き、その上に台本を置いて読むスタイル、一生さんはずっと手持ちで男らしさを感じました。台本を持つ手の美しさよ…)

 

暗転してからのお二人登場。お二人とも衣装はモノトーン。

一生さんは、髪がやや伸びてセンター分け、眼鏡無し、眉は特にライティングで飛ぶことが無かったので描き眉ではないけど、綺麗に刈り込んじゃってる感じ(ナチュ眉戻ってきて。。。)

黒のひざ丈のロングジャケット、白のスタンドカラーのシャツ、シャツの下の襟元にモノトーンの柄スカーフを巻き、ライトグレーのパンツでした。パンツは最初デニム生地?と思ったけど、薄手の縮緬生地みたいで、ゆったりしたライン、黒の靴下に黒の編み上げ革靴でした。

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<ここから内容ネタバレしまくります、注意>

(というか以下、今回の新作のストーリーです。うろ覚えですが。お話の内容を知りたい方はどうぞ・・・うろ覚えですが(2回言いました)合っているかは保証しません)

坂元さんの朗読劇は、男女がメールなりお手紙なりで会話する形式がお約束のようです。

「忘れえぬ 忘れえぬ」も、一生さんの「だれ、お前、うさぎ当番代われ」と言う感じのぶっきらぼうな台詞から始まりました。(「おい、お前」だったかな←しょっぱなからうろ覚え炸裂)

会話が進むと、どうやら11歳の少年が、クラスメートのうさぎの世話係の少女に当番を代われとメールで要求しているらしいこと、その少年のメールは「てにをは」や語順がおかしいこと、要求された少女は賢いのだけれどちょっと斜にかまえた子で、友達はいないことがわかります。

少女は木生(きお)ちゃん、少年はモリくんであると名乗られます。

モリくん、私はてっきり外国人家庭(難民とか?)の少年かと思い、モリ、と脳内でカタカナ変換したのですが(私の小学校にも帰国子女だけのクラスがあって、たまにモリくんのような語順で話す子がいたので。「僕、行きます、ガッコーへ」って)、やがてどうも機能不全家庭で育った少年らしいとわかります。(だから普通に森くんなのかも)

そしてうさぎ当番も、学校ではなく、夏だけの何か問題児の矯正施設のようなところでのお話のようです。

モリくんが落したフランクフルト(だったかな)を拾って食べたのはおかしいとか、いや、先生もおかき拾って食べた、おかきは乾いてるからフランクフルトとは湿り気が違います、お前は拾って食べたことが無いのか、うちはお金持ちだから落したと言えば新しいのがもらえるのよ(のちに家にパテックフィリップやヴァンクリ転がってて本当にお金持ちなことがわかります)、とか、そういうツンケンした会話をしながら木生は、モリくんが自分を捨てた両親に、怒っている、殴ってやりたい、噛みついてやりたいという怒りの気持ちを伝える、ちゃんとした手紙を書けるよう教えることになります。(図書館で本を読むように誘導することで)

いろんな本を読んで、世界が怖くなるモリくん、木生ちゃんが勧める暗い話じゃなくて「魔女の宅急便」を読もうとするも、木生ちゃんに中世の魔女狩りの歴史を語られてしまうなど、坂元テイストな会話劇。

 

そして何故モリくんがうさぎ当番をやりたかったかというと、なんとうさぎを食べるため!

うさぎの耳が薬になる、その薬で自分は治ると思っているのです。

この辺りがよくわからなかったのですが、木生ちゃんはどうも声を出して喋らない少女(手話なのか身振り手振りで会話する?)、モリくんは怒りを抱えた暴力少年、二人とも幽霊を見る?、とにかくそういう変わったところを普通に戻そうと、木生ちゃんの裕福なご両親はサマースクールのようなこの施設に彼女を入れているようです。(ちょっと露伴ちゃんのまおちゃん思い出しました)

木生ちゃんは、じゃあうさぎを食べようとモリくんを誘い、早朝にうさぎ小屋に忍び込みますが、いざうさぎを捕まえたところでモリくんが「やめるください、みみみを食べないで」とストップをかけ、「うさぎに名前をつけてしまったの?・・・じゃあ仕方ないですね、止めましょう」と断念する木生ちゃん。

(洗濯機やソファーにも名前をつける男だからな、とちょっぴり中の人のことを考えてしまった私)

 

そうやって二人は仲を深めます。湖にある、壊れて6時3分で止まった時計台で待ち合わせて本を読んだり、そこでうたた寝したり。

8月31日になるとまた1年会えなくなるのですが、次の年にはもうモリくんの文章はすっかり流暢になっていて、難しい言葉も使えるようになっています。

木生ちゃんは不眠症でなかなか眠れないのですが、モリくんが怖い話を創作して聞かせるとやっと眠れる、その一方でモリくんは自分が考えた怖い話で今度は自分が眠れなくなるし、1週間でネタが尽きてしまい音を上げるので、木生ちゃんに「千夜一夜だったら首を刎ねている」と呆れられます。

そこで木生ちゃんは、じゃあ眠れないから夜の校庭?かどこかを探検しようと、もうお風呂に入って寝る準備もしたから嫌だというモリくんを引っ張り出します。

(そこにはお宝があるとか、そのお宝は世界中のバナナのシールを集めてファイルしたものでまだ誰も発見していないとか、誰も発見していないのはバナナシールにみんな興味が無いからだとか、ミスマウンテンと言う大きな女の人が徘徊していて、見上げると首の骨が折れてしまうから危険だとか、ひそかに子供たちの血を使って薔薇の花を染めているんだとか、そんな会話が繰り広げられます)

そこでモリくんとはぐれた木生ちゃんは、ミスマウンテンを見かけてミスマウンテンを尾行します。

(朗読劇はどうも、二人が直接会話をするのではなく、手紙やメールでやりとりをするという枠組みがあるのですね、きっと。「初恋」は手紙(と大人になったらメール)、「不倫」はメールでの男女の会話でした。この「忘れえぬ」は設定的には一緒にいる機会が多いのですが、こうやってはぐれたり別の部屋に居たりしてメールでやりとりするシチュエーションを使っているようです。木生ちゃんが声ではしゃべらないという設定も、メールを多用するためかも)

危ないから行っちゃだめだ、今どこ?と心配しながら木生ちゃんを追いかけるモリくんと、好奇心旺盛な木生ちゃん。

そしてその探検で、モリくんは南ドミトリーというところで管に繋がれて植物人間になっている人を発見してしまいます。

それからモリくんの心はその人でいっぱいになり、その人を「ゆっくりさん」と名付けて、毎日動向を気にします。(この人は自分たちの、1分が60秒の世界と違う世界で、テニスボールが何時間もかけて跳ね返ったり、コップが落ちて3日かけて割れる世界の人なのではないかと)

今まで遊んでいた木生ちゃんのこともおざなりです。

 

木生ちゃんのモノローグで、夜に感情を出す手紙を書くべきではないけど溜めておくよりは書きだした方がマシと、木生ちゃんの心情が語られます。

世の中、嫌いなものばかりだったこと、両親はともに不倫している癖に自分の前では仲の良い振りをするから、こちらもそんなことに気がつかない純真な少女を演じなくちゃいけないこと、でも、嫌いなものを一瞬で消す方法がわかったこと、モリくんが好きで、好きな人と二人だけの世界になれば嫌いなものが消えて世界が透明になること、でもそれは自分だけで、モリくんはもう他に気持ちが移ってしまって、さみしい、くやしい、残念なこと・・・

そして両親が別の施設に自分を入れようとしているから、もう来年はモリくんに会えないこと・・・

 

このあと、普通にモリくんがメールを返すので(もう会えないこともスル―で)、このモノローグのメールは出されなかったかのように思わされます。

 

モリくんは植物人間のゆっくりさんのお世話をするお手伝いをし、木生ちゃんは別の施設から、モリくんとゆっくりさんに自分が育てた甘夏の実を送ったりします。

平和な日々でしたが、ある日、ミスマウンテンがゆっくりさんの主治医の五条先生(だったかな?)に殴りかかるという事件が起きました。

ゆっくりさんが植物人間になったのは、トラックの運転手だったミスマウンテンの起こした事故のせいだったのですが、事故の加害者が被害者の主治医に暴力を振るった事件と報道されました。

(お手伝いの生活を描写する場面で、いつも出てくる豆生田さんが近所のソフトクリーム屋の店長で登場、ソフトクリームをちゃんと客に渡せず落としてしまいいつも床がベタベタ、その店長はギリシア彫刻のような顔のくせに麦茶が好き(ここの店長のものまねする一生さんの声色が笑いを呼ぶ)という話や、秋刀魚にタルタルソースをかけて、施設の木田さんと林田さんと森田さんが喧嘩になったこと(焼き魚になんでタルタルかけるんだ、タルタルは白身魚のフライだろう、好きでかけてるんだから口をはさむな、いやいやお前がタルタルを使ってしまったことで白身魚のフライが出た時に足りなくなって誰かが大根おろしとポン酢で食べないといけないだろ、と)、

その話を聞いた木生ちゃんが「ちょっと!重要な違いに気付いてないの信じられない、木田さん、林田さん、森田さんと木が一本ずつ増えてるじゃないですか」と突っ込みを入れ、「不明を恥じます」とモリくんがうなだれるところなど、コミカルな場面です)

 

そして事件が起きます。

 

モリくんがもらった甘夏の実の香りをゆっくりさんにも味わってもらおうと、枕元に甘夏を置きに行った時、主治医の五条先生が自分の飲んでいるコンビニのコーヒーカップを、ゆっくりさんがテーブルかモノであるかのように、ゆっくりさんの顔に置いたのです。

そして看護師と、ゆっくりさんのことを価値が無い人間のように言って笑いました。

それを見て逆上したモリくんは、以前のキレやすい怒りを溜めた少年に戻り、気がつけば先生をボコボコに殴って大けがをさせ、そのまま逃走してしまいます。

「自分が今どこにいるかわからない、コーヒーカップは持ってきた、これをどこかに捨てなくては」と混乱するメールを木生に送るモリくん。

 

結局、モリくんは更生施設のようなところに入れられてしまい、彼の身を案じた木生ちゃんは、モリくんの代わりにゆっくりさんの病床でお手伝いをしながら(実家から金目の物、パテックやヴァンクリなどをかっぱらって家出していた←家出してモリくんに会おうと時計台にやって来た日にさっきの事件が起きた)、ゆっくりさんの状況や、モリくんのことを案ずるメールをします。

モリくんはすっかり心を閉ざしてしまい、施設でミシンで服を縫う作業を教わっていることを報告はしますが、もうこれ以上メールはよこすなと突っぱねます。

それでも木生ちゃんは何度もメールを送り、新しいゆっくりさんの主治医は良い人であることや、行き先の無いリクガメが引き取られてきたこと、主治医がもしかしたらゆっくりさんが目を覚ますことがあるかもと言っていること、ある日、自分がゆっくりさんの病床の横でうたたねをしてしまったら、ゆっくりさんの手が寝る前と逆向きになっていたこと(意識が戻りつつある?)などを報告しますが、モリくんは、今度メールをよこしたらヤクザ送り込むぞ(正確には、その前に更生施設の作業の話をした時に、前にこのミシンを使っていたヤクザは可愛いワンピースを縫えるようになったという話をしていて、「可愛いワンピースを縫える男を送りこむ」と言うのでまたちょっと会場に笑いが)とけんもほろろです。

 

ところがある日、ついにゆっくりさんの意識が戻ります。木生ちゃんはそれを早速報告しますが、モリくんは、騙されないぞと信じてくれません。

それでもゆっくりさんが回復して行く様子や、看護師さんの食べていたなんとかという店のハンバーガーをゆっくりさんが食べて美味しくないとわがままなことを言ったという話を書くうちに、あの店のハンバーガーは本当に美味しくないからそれはわがままではない、と言って、徐々にモリくんも心を開き、最後にゆっくりさんが退院する時に、ゆっくりさんがモリくんの声を(意識が無い中)ずっと聞いていたこと、忘れられない声であることなどの話を木生から聞くことが出来たのでした。(そしてリクガメがゆっくりさんという名を引き継ぎました)

 

そこでモリくんも、以前のメールに返事をしていなくてごめん、いや、もしかしたらそんなメールは無かったものかもしれない(自分の妄想かも)、そうしたら気味の悪い思いをさせてしまうけど…僕も木生ちゃんのことが好きです、と、以前の木生の長いモノローグのメールへの返事をします。

 

そして、ラスト、モリくんは洋服職人として店を開くことになり夏の服を木生に贈り、木生は本を出したこと、本が出たことはモリくんには秘密にしていて、モリくんはたまたま本屋でその本を見つけ、なんで教えてくれなかったのかと言うと、その本に出てくる少年がモリくんがモデルであると思われるので秘密にしていた、うさぎを食べようとする少年のお話なの、というところで終わります。

 

(ちょっと、小説にモデルの少年が出てくるのと、木生のメールスル―してたけど僕も好きっていうのと、順番がどちらが〆だったかすでにうろ覚え・・・)

 

 

と、こんな感じのお話、だったと思います・・・・。

一生さんの横顔にずっとみとれていたから、もう色々覚えていません・・・・。

 

一生さんはぶっきらぼうだったりクールな感じのモリくんでした。(あの冷たさでもうメールするなと拒絶されたら立ち直れない・・・木生、ナイスガッツ・・・)

 

そして、1時間半も朗読するのはさすがに大変で、酒井さんはちょこっと噛んだりしていたのですが、一生さんはなかなか噛まず、すごいなーと思っていたら、ゆっくりさんがいかにして植物人間になったかの事故の場面で、やや噛み、そこから立て直そうとするもページをめくって「バックミラー」というのが「びゃっくみりゃー」になってしまって、推しも人間だな、と思ったことを報告いたします。

(顔色は平然とされていました、びゃっくみりゃー)

 

レポ書きながら、もういろいろ忘れかけている鳥頭だから、あと3回くらい聴きたいよと思いました・・・。